松下電器産業株式会社からのお知らせです。
松下電器産業株式会社の
電子レンジ・冷凍冷蔵庫・電気衣類乾燥機ご使用の方
一度、ご確認ください。
事故防止のための『社告』実施について
2007年5月30日
松下電器産業株式会社
松下電器産業株式会社は、
1988年12月から1993年12月までに製造した電子レンジのうち12機種、
1989年2月から1992年10月までに製造した冷凍冷蔵庫のうち5機種、及び1993年8月から2001年12月までに製造した電気衣類乾燥機のうち8機種について、事故防止のため市場対応を行います。
弊社では、一昨年の石油暖房機で品質問題を発生させた反省から、
「製品安全統括センター」などの製品安全専門組織を新設し、安全規格の改定・強化、重要品質の予兆の収集・監視のしくみの構築や長期使用製品への対応プロジェクトの発足など、製品安全確保の取組み強化を行うとともに、お客様の「安全」確保の視点で過去の事故事例の見直しを行っております。
その結果、過去に事故が発生した時には事故要因に共通性が見られず、偶発的な事故と判断していた電子レンジ、冷凍冷蔵庫、電気衣類乾燥機の3製品それぞれについて、昨年後半からの事故情報と合わせた見直し・調査を通じて、過去の事故も含めそれぞれの製品において共通の事故原因を特定し、再発の可能性があると判断したため、この3製品について事故防止のために社告を行います。
対象製品をお持ちのお客様には、お買い求めの販売店または弊社サービス会社が、無料で部品交換を実施いたします。
お客様には大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
1.電子レンジの社告実施について
1988年12月から1993年12月までに製造した電子レンジのうち12機種について、製品の長期のご使用により内部の電子部品が劣化し、発煙・発火に至る可能性があることがわかりましたので、事故防止のため市場対応を行うことといたしました。
お客様には大変ご迷惑をおかけしますが、部品交換が終了するまで、ご使用をお控えいただきますようお願い申し上げます。
(1)対象機種および台数
品番 対象製造期間 対象台数
NE-AB50 1988年12月〜1991年6月 73,960台
NE-AT66 1989年4月〜1991年2月 211,993台
NE-A555 1989年4月〜1991年7月 298,091台
NE-AT70 1989年12月〜1991年12月 312,011台
NE-P300 1990年2月〜1990年5月 19,046台
NE-P500 1990年1月〜1991年10月 131,943台
NE-A575 1990年9月〜1991年7月 93,972台
NE-OT1 1991年1月〜1991年12月 134,773台
NE-AC50 1991年7月〜1992年9月 114,604台
NE-AC60 1991年7月〜1992年7月 128,286台
NE-OT2 1991年12月〜1992年12月 126,582台
NE-AT80 1991年12月〜1993年12月 286,479台
合計12機種 1,931,740台
(2)社告に至る経緯
[1]昨年11月1日に、10月31日に愛知県で発生した発煙・発火事故の情報が入り、弊社の電子レンジ(NE-AT70)の一部が焼損し、
置き台が煤けたという被害状況でした。
解析の結果、制御基板に搭載しているダイオードブリッジという電子部品の内部素子が破壊し、ダイオードブリッジに近接した樹脂部品の焼損が顕著であることが認められました。
また、昨年12月12日に熊本県、本年1月19日に高知県で弊社の電子レンジの発煙・発火による製品焼損事故が連続して発生し、愛知県での事故と同様にダイオードブリッジの内部素子の破壊が認められました。
[2]ダイオードブリッジの内部素子の破壊による製品の焼損事故は、
2001年3月から2002 年8月にかけて4件発生していました。
当時の解析結果では、ダイオードブリッジ内部の素子と電極を接合しているはんだ部にクラックの発生が認められ、ダイオードブリッジの部品要因と製品要因の観点から再現試験を行ったものの、事象は再現できず、原因も特定できなかったため、偶発的な事故と判断していました。
[3] しかし、昨年後半から連続して発生した事故に関して再調査を行った結果、多量の埃が堆積するなど製品後部の吸気口が塞がれた場合には、冷却性能が低下し、ダイオードブリッジが規格値以上に高温となることがわかりました。
さらに、この高温となった条件下で長期間繰り返し使用した場合、ダイオードブリッジ内部のはんだ付け状態によっては、内部のはんだにクラックが生じて発生するスパークが素子等を溶かし飛散させ、近接したドアフックという樹脂製部品に引火して、発煙・発火に至る可能性があると判断いたしました。
(3)原因
製品後部の吸気口付近に多量の埃が堆積して、ダイオードブリッジが規格値以上の高温となるような条件下で、長期にわたり繰り返しご使用の結果、ダイオードブリッジの製造上のばらつきによっては、ダイオードブリッジ内部の素子と電極を接合しているはんだの劣化が進み、はんだ部にクラックが生じることがあります。
この状態で電子レンジの調理スタート時に発生する突入電流がダイオードブリッジを流れる時、内部で発生したスパークがダイオードブリッジの素子等を溶かし、飛散させることとなり、難燃グレードの低いドアフックがダイオードブリッジと近接して配置された構造の場合、この高温の素子等によりドアフックが引火して、発煙・発火に至る可能性があると判断いたしました。
(4)対象の特定
事故が発生した6機種を含め、事故機種と同一のダイオードブリッジを搭載し、難燃グレードの低い樹脂を使用したドアフックがダイオードブリッジに近接して配置された構造を有する製品12機種を対象としました。
2.冷凍冷蔵庫の社告実施について
1989年2月から1992年10月までに製造した冷凍冷蔵庫のうち5機種について、側面を壁に隙間なく設置された状態での長期ご使用の結果、圧縮機用起動リレーの内部素子が破壊し、発煙・発火に至る可能性があることがわかりましたので、事故防止のため市場対応を行うことといたしました。
お客様には大変ご迷惑をおかけしますが、「異臭がする」などの異常にお気付きの場合、ご使用をお控えいただきますようお願い申し上げます。
(1)対象機種および台数
品番 対象製造期間 対象台数
NR-F40V1 1989年2月〜1990年1月 108,391台
NR-F40VP1 1990年2月〜1991年2月 123,484台
NR-F40W1 1990年3月〜1992年9月 2,487台
NR-G53K1 1990年4月〜1991年4月 29,969台
NR-F40SP1 1990年7月〜1992年10月 39,156台
合計5機種 303,487台
(2)社告に至る経緯
[1]昨年11月20日に、11月19日に茨城県で発生した発火事故の情報が入り、弊社の冷凍冷蔵庫(NR−F40SP1)と床の一部が焼損し、壁と天井が煤けたという被害状況でした。
また、昨年12月28日にも同じ機種で類似の事故が発生しており、いずれも冷凍冷蔵庫背面下部付近からの出火が認められましたが、原因の特定には至りませんでした。
[2]一方、冷凍冷蔵庫背面下部付近からの出火と認められる焼損や発煙事故は、2001年8月から2003年12月にかけて別機種で3件発生していましたが、機械室の水分や埃、小動物のし尿などによるトラッキングや接続部異常発熱によるものと推定し、事故要因に共通性はなく、偶発的な事故と判断していました。
[3]以上5件の事故が2機種に限定されていることから、再調査を行い、共通の特性がないか等の分析をさらに進めた結果、いずれも設置状況や埃の堆積により機械室内が高温になりやすい構造を有していました。
このため、起動リレーの内部素子割れを発生させ、その割れ方によっては起動リレーが発煙・発火に至る可能性があると判断いたしました。
(3)原因
事故機種の冷凍冷蔵庫は、長期ご使用において、側面を壁に隙間なく設置された場合など、機械室通気口に埃が溜まると機械室と外部の空気の入替えが阻害され、機械室内の圧縮機周辺が高温になりやすい構造を有していました。
このため、圧縮機に近接した床や壁が高温になった結果、床等の材質によっては塩素などの腐食性ガスが蒸散することがあります。
その腐食性ガスは、起動リレーのPTC素子電極部において銀移動(マイグレーション)を誘発し、素子割れを引き起こすことがあり、素子の割れ方によっては、起動リレーが発煙・発火に至る可能性があると判断いたしました。
(4)対象の特定
事故が発生した2機種を含め、当該事故機種と同構造の起動リレーを有し、機械室と外部の空気の入替えが阻害されて機械室が高温になりやすい構造を有する製品5機種を対象としました。
3.電気衣類乾燥機の社告実施について
1993年8月から2001年12月までに製造した電気衣類乾燥機8機種について、リレー端子部のハトメ部のはんだにクラックが入ることでスパークが発生し、発煙・発火に至る可能性があることがわかりましたので、事故防止のため市場対応を行うことといたしました。
お客様には大変ご迷惑をおかけしますが、部品交換が終了するまで、ご使用をお控えいただきますようお願い申し上げます。
(1)対象機種および台数
品番 対象製造期間 対象台数
NH-D40S1 1993年8月〜1995年4月 141,396台
NH-D45K1 1993年11月〜1994年9月 65,699台
NH-D45K2 1994年10月〜1995年8月 80,191台
NH-D40K2 1995年5月〜1997年3月 102,321台
NH-D45H1 1995年8月〜1997年7月 139,859台
NH-D45K3 1995年10月〜1997年7月 58,444台
NH-D40K3 1997年3月〜1999年12月 84,679台
NH-D45A 1997年7月〜2001年12月 111,417台
合計8機種 784,006台
(2)社告に至る経緯
[1] 本年1月9日に、1月6日に静岡県で発生した発火事故の情報が入り、弊社の電気衣類乾燥機(NH-D40K2)から発火し、製品周辺が煤けたという被害状況でした。
また、本年3月17日にも、別機種で類似の事故が発生しており、いずれも操作制御基板のリレー端子部周辺の焼損が認められました。
[2] 一方、操作制御基板の焼損事故としては、2000年11月から2005年4月にかけて類似構造を有する製品で7件発生していました。
当時の解析結果では、基板のパターンの傷やハトメの加工不具合等と個々の原因を推定したものの、出火要因に共通性はなく、いずれも偶発的な事故と判断していました。
[3] 1月6日に発生した事故以降、再調査を行い、共通の特性がないかなどの分析をさらに進めた結果、リレー端子はんだ部の接触不良によりスパークが発生し、発煙・発火に至る可能性があることを再現試験で確認することができ、過去の事故もはんだ部の接触不良により、発煙・発火に至る可能性があると判断いたしました。
(3)原因
リレー端子部のハトメ高さに加工不具合がある場合に、はんだ量が不足することがあります。
その場合、温度ストレスの繰り返しでハトメ部のはんだにクラックが生じて接触不良となり、スパークの発生につながります。
その結果、スパークの熱により防湿のために操作制御基板に塗布した難燃性の樹脂から可燃性ガスが発生し、近接した樹脂製の操作パネルに引火して、発煙・発火に至る可能性があると判断いたしました。
(4)対象の特定
事故が発生した4機種を含め、事故機種と同一リレーにおいて、同じ部品配置、同じハトメ方法を採用している操作制御基板を搭載した製品8機種を対象としました。
4.お客様への対応
[1] 対象製品をお持ちのお客様には、お買い求めの販売店または弊社サービス会社が、無料で部品交換を実施します。
ただし、電子レンジについては対象製品が長期間のご使用でかつ調理器という特性上、庫内や機械室の汚れによる部品劣化から修理できない場合には、代替品との交換または引き取り(1台あたり一定の金額をお支払い)の対応をさせていただきます。
[2] 明日5月31日、新聞紙上で、『謹告』を行います。
[3] 弊社ホームページでもお知らせいたします。
[4]
本日から、フリーダイヤルと弊社ホームページにてお問い合わせをお受けいたします。
<フリーダイヤル> 受付:土、日、祝日を含む24時間
・電子レンジ 0120-871-682
・冷凍冷蔵庫 0120-871-337
・衣類乾燥機 0120-871-399
<ホームページ>
http://panasonic.co.jp/appliance/pro/